《春の特別公開》京都 瑠璃光院 の青もみじ Photo Report

瑠璃光院 春の特別公開 青もみじ

幻想的な青もみじの写真にひかれて、京都北東部・比叡山の麓にたたずむ『 瑠璃光院 (るりこういん)』を訪ねてきました。

拝観料が¥2,000と高めなこともあって「行くかどうか?」を迷っている方も多いと聞きます。そんな方々の参考に、見どころと個人的な感想をレポートしましょう。

 

往路はバス、復路は電車がおすすめ

平安時代から保養地として親しまれてきた「八瀬」の地にひっそりとたたずむ 瑠璃光院 は、もともと別荘だったこともあって、お寺という雰囲気ではありません。見どころは、京数寄屋造りの名人・中村外二が棟梁を務めた書院(建物)や、佐野藤右衛門一統が手掛けた庭園、そして写経机に移り込む青もみじ(春)や紅もみじ(秋)です。

いずれも豊かな自然と共に歩もうとした意図が感じられ、とても気持ちのいい空間が広がっています。昔からやすらぎの郷と親しまれてきたことに納得です。

 

瑠璃光院 叡山電鉄

京都駅からのアクセスは2通りあります。まずは、市バス(市内¥230均一)で「出町柳(でまちやなぎ)」駅に向かい、叡山電鉄に乗り換えて「八瀬比叡山口」駅に向かう(¥260)というもの。写真の特別列車「ひえい」に乗りたければ、事前に時刻表を確認しておきましょう。

もうひとつは京都駅ー(JR)ー東福寺駅ー(京阪電車)-出町柳駅ー(叡山電鉄)―八瀬比叡山口駅(合計¥670)と電車を乗り継ぐものです。

往路は京都市内を眺めながらのバス経由、復路は渋滞の影響を受けない電車乗り継ぎをオススメします。特に土日の夕方や観光シーズンは市内が渋滞し、バス経由だと新幹線に乗り遅れる可能性があるので、ご注意ください。

 

叡山電鉄 八瀬比叡山口駅

上の写真は叡山電鉄・八瀬比叡山口駅です。駅を出たら右斜め前方の橋を渡って右に曲がり、道なりに進めば 瑠璃光院 です。約400m・5分の道のりです。

 

瑠璃光院 京都

瑠璃光院 は毎年、春と秋の一定期間しか公開されません。2018年春の特別公開は4月15日~6月15日、各日10:00~17:00。期間中は無休です。

秋の特別公開では入場するまでに「3時間待ち」という話も聞きましたが、春はそれほどでもありません。この日は「30分待ち」でした。ディズニーランドのように並んで待つスタイルなので、天気のいい日には日傘や帽子、飲み物を準備していったほうがいいでしょう。

 

京都 瑠璃光院 入場セット

入り口で拝観料¥2,000を支払うと、写真のようなセットをいただけます。右上から時計回りに……パンフレット、ボールペン、入場券、写経用紙、写経の見本です。見本にはお経の意味が解説されています。

 

自然を活かした「たたずまい」が素晴らしい

瑠璃光院 庭

入場して石段を登っていくと、苔に覆われた「山露路の庭」が出迎えてくれます。敷地面積は約1万2000坪。すがすがしい空間です。 

 

京都 瑠璃光院 書院造

こちらが延べ240坪に及ぶ書院の入り口。靴を脱いで上がります。ビニール袋に靴を入れて持ち歩くのが基本ですが、下駄箱に預けておくこともできます。

 

瑠璃光院 写経

順路に沿って2階に上がると……入場時にいただいた用紙に、いただいたボールペンで写経している方が多数! 時間にゆとりがあるなら、あなたもぜひ。

 

瑠璃光院 青もみじ

さらに1歩進むと、新聞や雑誌、SNSでおなじみのシーンが広がっています。写経机に移り込んだ青もみじが見事です。

ただ、この部屋は予想していたよりも狭く(下の写真参照)、写真を撮りたい人がベストポジションを譲り合う必要があります。外国人観光客も多いので、イライラせずに仲良くやりましょう。

 

瑠璃光院 青もみじ

実際にはこんな感じにカメラが並びます。もっと雄大な空間が広がっていると思っていたので、ちょっぴりガッカリしましたが、誰でもSNS映えする写真を撮れるのはいいことです。

 

瑠璃光院 かま風呂

さらに順路に沿って進むと、壬申の乱で背中に矢傷を負われた大海人皇子(天武天皇)が傷を癒されたと伝えられる「かま風呂」を見学できます。これが日本式蒸し風呂の原型なのだとか。

 

瑠璃光院 瑠璃の庭

1階では、瑠璃の庭を眺めながら抹茶(お菓子付き ¥1,000)をいただけます。ここにいると、自然と同化するような感覚に包まれ、ついつい時間を忘れてしまいます。

 

瑠璃光院 納経

写経した用紙はこちらに納めます。

 

瑠璃光院 書院造

庭の景色を掛け軸に見立てた作りなど、日本建築に興味のある方には、たいへん勉強になる場所だと思います。「優雅な中にも匠の技が光る名建築」とうたわれるだけありますね。

 

瑠璃光院 青もみじ

 

まとめ……ゆっくり過ごすほど癒される!

瑠璃光院 のパンフレットの表紙に記されたキャッチコピーは

こころ和む。からだ憩う。いのち癒す。

滞在時間が長くなるほど、その通りだと実感します。逆に言えば、SNS映えする写真を撮って、駆け足で建物をぐるりと回っただけでは、拝観料¥2,000が高く感じられるでしょう。

写経机に移り込む青もみじの写真からイメージするほど雄大な景色が広がっているわけではありませんが、写経をし、抹茶をいただいていると……どんどん心が和み、気持ちよくなってきます。建築に興味がある人にもオススメできます。

入場待ち状態でも、内部がごった返していることはなく、程よい快適さが保たれていたのも好印象でした。

というわけで、総合評価は以下の通りです。


●京都駅からのアクセス:片道 約1時間
●標準滞在時間:1時間(長くいるほど癒されます)
●こんな人にオススメ:自然に抱かれて癒されたい人/数寄屋造りの建物に興味のある人/庭園に興味のある人/SNS映えする写真を撮りたい人
●おすすめのアクティビティ:写経(無料)、抹茶(¥1,000)
●個人的なオススメ度:★★(★★★を満点とします)

 

*ランチに最適なお店は見当たらなかったので、次の訪問先でいただくか、ランチを済ませてから参拝したほうがいいでしょう。


取材後記:「編集」という観点からすると、写経机に写り込む青もみじと紅もみじの写真だけで勝負しているところが素晴らしいですね。ポイントを絞り込み、見るものを驚かせ、行ってみたくする。余計な情報をあれこれ伝えない。そこに強い自信を感じます。